結論:出力の観点からコスパのよいポータブルアンプはhip-dacかFiiO Q3
ifi-Audio hip-dacはおしゃれな感じ
FiiO Q3はオーソドックス
どちらも2万円で32Ωに対して300~400mWを謳っています。これは大抵のヘッドホンを問題なく鳴らせるレベルです。THD1%許容内での最大出力ということで、計測条件が明らかにされているのも好感ポイントです。
例えば、一昔まえに入門機アンプとしてメジャーだったオーテクのAT-HA26Dが300mw@32Ω(T.H.D 10%時)、現役の据え置き国産アンプの入門機としてはおそらく最もメジャーなデノンのDA-310USBが380mW@32Ω(1 kHz、T.H.D 0.7 %)、同じく定番機と思われるFOSTEXのHP-A4BALだとバランス接続で300mW@32Ω(シングルエンドは150mW)、少し古いですが、パイオニアのU-05は180mW@32Ω、ということで、最近のポタアンは安価でもコンパクトな据え置きぐらいの出力はある、と言っていいのではないでしょうか。
ワンランク上の据え置きアンプを見てみると、TEACのUD-505がバランスで700mW@32Ω、マランツのHD-DAC1は800mW@32Ωと、なかなかポタアンでは追いつきません。が、実は例外もあります。
最強の高出力ポタアンはiDSD diabloiDSD signatureとXDuoo XD-05Plus/BAL
その名も「悪魔」。桁外れの高出力バランスTurboモードで5W@32Ωの化けものが現れました。次点のsignatureの5倍です。いったい何を駆動するんだろうと思いますが、巨大な高級平面駆動を外で使いたい、といった需要向けでしょうか。値段的にはsignatureとさほど変わらないので、検討に値するだろうと思います。
iDSD sigは最高出力モードだと、64Ωで1.5W出るということです。もはやポータブルと呼べるかどうか怪しい大きさですが、とにかくどんなヘッドホンでも持ち出したい!という人には払えるコストなのではないかなと。
hugo2やchord mojoも善戦していますが、純粋に出力で言えばifi audioが先を行きました。少し古いですが、xCANもかなりハイパワーです。
iDSDsigに匹敵するポタアンを発見しました。1000mW@32Ωを謳っています。DACチップもメジャーどころで、カタログスペックのコスパは最強です。メーカーの知名度なども触れていきます。
目次
- 結論:出力の観点からコスパのよいポータブルアンプはhip-dacかFiiO Q3
- 最強の高出力ポタアンはiDSD diabloiDSD signatureとXDuoo XD-05Plus/BAL
- 目次
- ifi audio hip-dac【2万円/400mW@32Ω→3.58Vrms】
- ifi audio nano iDSD BL【3万円/285mw@30Ω→2.9V】
- iFi micro iDSD Signature【9万円/950mW@32Ω→5.5V】
- iFi Audio micro iDSD Diablo【12万円/5W@32Ω→12.6V】
- iFi audio xDSD Gryphon【8万円/1000mW@32Ω→5.7V】
- ifi audio xCAN【5万円/1000mW@32Ω→5.7V/DACなし】
- iFi Audio xDSD【6万円/2.82V/500mW@16Ω→推定380mW@32Ω】
- Chord Mojo【5万円/720mW @ 8Ω→推定510mW@33Ω→4.1Vrms/バランスなし】
- Chord Hugo2【27万円/740mW@33Ω→4.94Vrms/バランスなし】
- FiiO K3【1.2万円/200mW@32Ω→2.53Vrms】
- FiiO Q3【2万円/325mW@32Ω→3.22Vrms】
- FiiO Q1 Mark II【1.4万円/220 mW@32Ω→2.65Vrms】
- iBasso Audio DC04【0.9万円/195mW@32Ω→2.5Vrms】
- TOPPING NX4DSD【2万円/293mW@32Ω→3.06Vrms/バランスなし】
- Sabaj Da3【111mw@32Ω→1.88Vrms】
- xDuoo XD-05 Basic【1.5万円/500mw@32Ω→3.0Vrms/バランスなし】
- xDuoo XD-05 Plus【3万円/1000mw@32Ω→5.66Vrms/バランスなし】
- XDUOO XD05 BAL【4.5万円/1000mw@32Ω→5.66Vrms】
- Cayin C9【23万円/2600mW@32Ω】
- カタログスペックと実物の駆動力の違い。そしてその他落ち穂拾い
- 比較に出てきた国産機:DA-310USB、HP-A4BAL、U-05
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ifi audio hip-dac【2万円/400mW@32Ω→3.58Vrms】
出力電圧
2.0V/400 mW (16 Ohm)Power Output (@1% THD)
BAL: 400mW@32 Ohm ; S-BAL(SE): 280mW@32 Ohm
BAL: 6.3V@600 Ohm ; S-BAL (SE): 3.2V@600 Ohm
hip-dac by iFi audio | A small but powerful DAC/headphone amplifier
スペックは
4.4mmバランス対応/MQA対応/DSD256/バッテリー: 2200mAh/入力: USB3.0 A
ハイコスパポタアン本命のhip-dacです。ZEN-DACの好評を受けて4.4mm搭載で出た感じでしょうか。流行りのMQAにも対応してスマホのストリーミングアプリとの連携も意識した仕様ですね。
ifi audio nano iDSD BL【3万円/285mw@30Ω→2.9V】
出力電圧(ダイレクトアウト):
3.5V(600Ω負荷時)以上2.9V(30Ω負荷時)以上
1.7V(15Ω負荷時)以上
出力電圧(ライン出力):
2.15V(±0.05V)Max. Output (<10% THD):
> 3.5V @ 600Ω Load (Direct) (20mW/600Ω)
> 2.9V @ 30Ω Load (Direct) (285mW/30Ω)
> 1.7V @ 15Ω Load (Direct) (200mW/15Ω)
THD &N (@ 125mW/30R): < 0.005%
nano iDSD Black Label by iFi audio | Portable DAC and Heaphone Amplifier
ifi audioは微妙に英語サイトのほうが情報が多いことがありますね。出力に限らずスペックで不明点が出たら本家サイトも見てみることをおすすめします。
Max. Output (<10% THD): と書かれているように、出るは出るが結構歪みの許容度が大きいです。10%は流石に大きくて、聴いてわかるレベルのようなので、この数字まで歪みなく音が出せると思わないほうがよさそうです。
スペックは
3.5mmバランス対応/MQA対応/DSD256/入力:USB2.0 Type A “OTG” オス
バッテリーサイズの明記がありません。ググると1200 mAh と説明しているレビューサイトがありますが、果たして・・・・・・連続稼働時間10時間ということはいろいろなところに書かれていて、hip-dacより燃費がいいのは確かですから、hip-dacと稼働時間が同じぐらいでも、バッテリーが半分ぐらいでも不思議はないわけですが……
少し古い機種ですが、MQAに対応しているので、MQA必須なら中古などで狙うのもいいかもしれないですね。
3.5mm4極は使いづらそうと思うでしょうが、変換端子が嫌でなければ、普通に売っています。4極←→4極なので2.5mmとのアダプターだったらそんなに複雑なこともないでしょう。
iFi micro iDSD Signature【9万円/950mW@32Ω→5.5V】
ヘッドホン出力パワー
Turboモード
パワー(最大) 10.0V/4,100mW
パワー(連続) >1,560mW@64Ω
>166mW@600Ω
Normalモード
パワー(最大) 5.5V/1,900mW
パワー(連続) >100mW@300Ω
>950mW@32Ω
Eco mode
パワー(最大) 2.0V/500mW@8Ω
パワー(連続) >250mW@16Ω
THD&N(ヘッドフォン 500mW/16R):<0.008%
実質的なポータブルアンプ最強機器です。最強出力だと64Ωなら約1.5Wで、ノーマルモードで950mw@32Ωと他の機器より頭一つ余裕があります。
スペックは
4.4mmバランス対応/MQA対応/DSD512/4800mAh/入力:USB3.0-Aオス・S/PDIF(3.5mm同軸/光)
歪みをどれだけ許容しての数字なのか、わからないのが気になりますが、正直これだけ色々なモードで出力を変えられるのであれば、ボリュームのほうを穏当な位置(まあ真ん中でしょうか)に固定して、あとは機器に合わせてモード切り替えして、一番気に入る音を聞けばいいのではないかと。そのために3つもゲインがあるんでしょうし。イヤホンからヘッドホンまで幅広く鳴らすことを目的にしているのだと思います。
問題はポータブルとは言えないサイズですが、(許される環境なら)会社のデスクに置いておく、ぐらいにはちょうどいいサイズだろうとは思えますね。
iFi Audio micro iDSD Diablo【12万円/5W@32Ω→12.6V】
ヘッドフォン最大出力
バランス:>19.2V/611 mW (@ 600 Ohm)
>12.6V/4,980 mW (@ 32 Ohm)
シングルエンド:>9.6V/153 mW (@ 600 Ohm)
>8.8V/2,417 mW (@ 32 Ohm)
文句なしの最強が登場しました。
iFi audio xDSD Gryphon【8万円/1000mW@32Ω→5.7V】
ifi audioはどんどんやばい数字の機種を出しますね。いいと思います。
ifi audio xCAN【5万円/1000mW@32Ω→5.7V/DACなし】
最大出力
Sバランス(3.5mm):>3.8V/45mW@300Ω
>3.5V/380mW@32Ω
>3.1V/600 mW@16Ω
バランス(2.5mm):
>7.6V/90mW@600Ω
>7.2V/800mW@64Ω
>5.7V/1000mW@32Ω
THD&N特性
Sバランス: <0.005%@100mW/1.26V/16Ω
バランス:<0.006%@360mW/2.4V/16Ω
値段あたりで最強を目指すならこいつもありではないでしょうか。筐体もコンパクトですし。
事実上xDSDとの比較用に載せたという感じです。xDSDはDAC機能がありますが、xCANはDAC機能なしのピュアなアンプ、という棲み分けのようですね。
iFi Audio xDSD【6万円/2.82V/500mW@16Ω→推定380mW@32Ω】
出力電圧:
> 2.82V/500 mW @ 16 Ohm,> 3.7V/270 mW @ 50 Ohm,
> 3.8V/48 mW @ 300 Ohm,
> 3.8V/24mW @ 600 Ohm
ライン出力レベル:> 2.1V @ 0dBFS (& 0dB Volume)
全高調波歪率: (1V/16R):< 0.005%
推定については結構思い切って、xCANのシングルエンドが割と近いので、380Ω付近だろうと推計しました。(実直に上下幅を計算すると250~400なので範囲内に収まっている)
スペックは
3.5mm4極バランス対応/DSD512/2200mAh/MQA対応/入力:USB 2.0オス・S/PDIF同軸及び光入力
nanoよりは出力があるし、スペック的にも普通には申し分ないですが、今となっては地味かもしれません。
Chord Mojo【5万円/720mW @ 8Ω→推定510mW@33Ω→4.1Vrms/バランスなし】
出力レベル
35mW @ 600Ω
720mW @ 8Ω
ラインアウトモード出力 3V
THD+N 0.00017% @3V
600Ω→4.58Vrms
8Ω→2.4Vrms
英語版のサイトには端的に5Vrmsという表記があります。
Technology - Chord Mojo | Your Music. Just Better
推定については、Hugo2の数字を見て、だいたいワット数で0.7かけるぐらい、Vで0.84ぐらいの出力なのかなということで出しています。この0.7という数字はΩが揃っている8Ωでの1050と720を見比べての数字ですが、ハイインピーダンス側で検算してもある程度は正しいと思ったので推定として出しました。
ハイインピーダンスだとだいたいVrmsが頭打ちだと仮定するとmojoの35mW @ 600Ωとhugo2の300Ω / 94mWの双方でVを計算すると、ワット数7割掛けでだいたい同じという関係が維持されていると期待出来ます。
VはΩxWの平方根ですが、イコールになるかどうかが見たいだけなので、ΩxWを双方計算すると
600*0.035≒300*0.094*(0.7) ※正確には0.745
ですから、まあだいたいこんなもんだろうと。600Ω側のほうがVrmsは大きくなるか同じなわけですから、実際の係数は0.745より小さく(0.7に近く)なると考えられます。0.7*740以上0.745*740以下ということで、510~550みたいに考えれば間違いはないのではないでしょうか。
言わずとしれた有名機種で、私のイメージではばかみたいに出力が強いイメージがあったので、今回並べてみて少し意外な印象を受けました。といっても、かなり高出力には変わりはないですが。
スペックは
DSD256/1900mAh/入力:microUSB×1
chordはそれ以外のDAC部分の仕組みなども特徴がありますが、それについては他所に譲ります。microUSBは今となっては嫌かもしれません。
別にバランスじゃなくても高出力ならいい音なんじゃないか、と思ったのはmojoの出力を調べたときだったのでした。
ポータブル機だとバランス端子があったほうが高出力と低出力を切り替えやすいので、結果的にバランス端子のあるアンプが選ばれる可能性は高いと思いますが、例外的な評判があるのが、mojoですね。
Chord Hugo2【27万円/740mW@33Ω→4.94Vrms/バランスなし】
出力レベル
300Ω / 94mW
33Ω / 740mW
8Ω / 1050mW
ラインアウトモード出力 3V
THD <0.0001%1kHz 3v RMS300Ω
Chord Electronics コードエレクトロニクス CHORD Hugo 2【HUGO2】 シルバー / e☆イヤホン
300Ω / 94mW →5.31Vrms
33Ω / 740mW →4.94Vrms
8Ω / 1050mW →2.96Vrms
この記事で一番ハイエンドですがさすがの出力です。
スペックは
DSD512/バッテリー: 2600mAh/入力はmicroUSB×1、同軸デジタル(3.5mm)×1、光デジタル(角型)×1
2017年発売だからか、バランス接続端子なしですがこれだけの高出力です。ま、値段が値段なので、出力が高い→買おうという大雑把な人もいないでしょうから、これもあんまり触れないことにします。
FiiO K3【1.2万円/200mW@32Ω→2.53Vrms】
出力 1(3.5mm シングルエンド)
220mW (16Ω負荷時) 120mW (32Ω負荷時)
出力 2(2.5mm 4極バランス)
320mW (16Ω負荷時) 200mW (32Ω負荷時)
ライン出力レベル 1.9Vrms
THD+N 0.004%以下
スペックは
2.5mmバランス対応/DSD256/バッテリーなし
さほど特筆すべきところもなく、値段相応のスペックという感じでしょうか。実はFiiOはKとQが見た目がそっくりでわかりにくいですが、Kはバッテリーがなし、Qがありです。だからポータブルと言うべきか悩むところですが、ともあれ小さいし、給電もUSB-Cですからですから、デスクトップアンプとでもいうべきでしょうか。
Kが据え置き寄りでQがポタアンというような説明を過去見たことがありますが、電源仕様はそうだとしても、こうやって比べてみるとKのほうが出力が高くてヘッドホン向きというわけではないですね。
FiiO Q3【2万円/325mW@32Ω→3.22Vrms】
後継機のQ3 2021では300mW以上 という表記になっていますが、もとの記事残しておきます。
2.5mm/4.4mmバランス・ヘッドホン出力仕様
出力2(THD+N1%未満 USB IN)
16Ω負荷時 190mW
32Ω負荷時 325mW
300Ω負荷時 100mW
さすが新しい機種、かつFiiOということで測定の基準はTHDが1%未満ということで明示されてますね。
スペックは
4.4mm・2.5mmバランス対応/DSD512/1800mAhの内蔵バッテリー
THX AAAというと低出力から高出力まで歪みなく出すという謳い文句の技術です。が、最近は何にでも載ってていてお手軽感も出てきました。レビュー見ると期待値が高すぎて色々言われている感じもありますが。
Q1 Mark IIから見ると妥当なスペックアップですし、Q1の評判を見ると、この価格帯では一番わかり易い選択肢だろうと思います。
FiiO Q1 Mark II【1.4万円/220 mW@32Ω→2.65Vrms】
バランスヘッドホン出力 (2.5mm TRRS headphone out jack)
16Ω時 ≥240 mW(16Ω / THD+N<1%)
32Ω時 ≥220 mW(32Ω /THD+N<1%)
300Ω時 ≥45 mW(300Ω / THD+N<1%)
スペックは
2.5mmバランス対応/DSD256/1800mAhの内蔵バッテリー
今となってはQ3の旧機種という感じですね。といっても、普通DSD512なんて聞かないし、バランス接続の端子も一個あれば十分だよという人にとってはコスパがよいかもしれません。あと、評判もQ1のほうが出てきやすいですしね。
iBasso Audio DC04【0.9万円/195mW@32Ω→2.5Vrms】
出力電圧
4Vrms (300Ω負荷時) / 2.5Vrms (32Ω負荷時)
最大出力レベル
195mW (32Ω 負荷時)
THD+N:
-110dB / <0.00032% (300Ω負荷時),
-108dB / <0.00039% (32Ω負荷時)
ちなみに、弟分にあたるDC03(シングルエンドのみ)は
出力電圧 2Vrms (300Ω負荷時) / 1.61Vrms (32Ω負荷時)
出力レベル 80mW@32Ω
でした。
スペックどうこうという話ではないと思いますが、DC04は意外に出力高いよということで。
DC01、02は少しイヤホンとの相性でノイズが出るという話があったようですが、そこを解消したというレビューを見かけました。
TOPPING NX4DSD【2万円/293mW@32Ω→3.06Vrms/バランスなし】
出力電力:32オームで293dB×2、THD + N <1%。 300オームで114 mW x 2、THD + N <1%
hip-dacやQ3とタメをはる性能ですね。しかし、NXシリーズのアップデートが早すぎるのか、評判がいまいち出てこないので、おすすめとはしませんでした。ASRの測定値では次のSabaj Da3との比較で結構褒められていたので、知名度の割にハイスペな機種、というポジションかもしれません。
アップデートが早すぎるというのは、こんな感じです。このシリーズはtoppingのサイトを見るともうNX5が出ていますが、日本のamazonでは品切れています。逆に、実はNX3sという過去機種は半額ぐらいまで下がっていてさほど出力にも大差ないのですが、DSDがだめみたいですね。NX4までDSD非対応で、このNX4DSDからDSDに対応したようです。NX3、NX3s、NX4、NX4DSD、NX5とするともう実際はNXシリーズとしては7番目ぐらいの型番という感じでしょうか。
TOPPING NX4DSDのスペックは
DSD512/2400mAhの内蔵バッテリー /デコード入力:USB Microコネクタ
usb micro B端子なのは残念ですね。スマホのケーブルが今ほとんどtype Cであることを考えると、ケーブルを持ち歩かなくてはいけない分ポータブルさは落ちます。バランス端子がないこととあわせて、不便ですが、測定値はいい(らしい)、という微妙な立ち位置の商品です。そんなところもレビューが少ない理由でしょうか。
普段机の上に乗せておくにはケーブルがどんなものでも構わない訳で、案外ありな商品かもしれません。個人的にはこういうふうに機能を絞ってしまっている商品は好きなので頑張ってほしいです。
Sabaj Da3【111mw@32Ω→1.88Vrms】
出力電力: バランス32Ohm 111mw 64Ohm 111 5mw 300Ohm 52 5mw
出力電力: アンバランス32Ohm 56mw 64Ohm 43 5mw 300Ohm 13 5mw
この値段なのにDSD512対応というのが売りのSabajのポタアンですが、出力では流石に及ばない様子。イヤホン用と割り切るのがいいでしょうね。
Sabaj Da3のスペックは
2.5mmバランス対応/DSD512/バッテリー なし
OLEDディスプレイがあったりして結構面白い商品ではありますし、ものとしてのスペックは他のものともはっきり違うので、シーンがあえばいいものになりえるでしょう。
xDuoo XD-05 Basic【1.5万円/500mw@32Ω→3.0Vrms/バランスなし】
XD-05 basicについては最新機種のBALにまとめます。バランス端子はなしです。
xDuoo XD-05 Plus【3万円/1000mw@32Ω→5.66Vrms/バランスなし】
XD-05 plusについては最新機種のBALにまとめます。アマゾンで買うときはbluetoothユニットの有無に気をつけてください(3万切ってるのがなしで、それを超えてると付属してたりしてなかったりでした)
XDUOO XD05 BAL【4.5万円/1000mw@32Ω→5.66Vrms】
中華含めたお手軽なポータブルオーディオに詳しい方でもそもそもXDUOOというメーカーを聞いたことがない人は多いのではないでしょうか。英語圏ではそれなりにメジャーの中華メーカーという印象があります。linsoulでも取り扱われていますし、Dropでも扱われてますね(紹介するときに参考にしているレビューは英語圏になってしまっています)。また、別の据え置きアンプ編でも紹介したように
このXD05と合わせて低価格x高出力にはかなりこだわりのあるメーカーというイメージがあります。(アンプだけじゃなくてMP3プレイヤーとかも出してますが)
XD-05 はまず、最初の機種(Basicと丁寧な名前になってますね)がAK4490、次のPlusがAK4493、で、最新のBALはES9038*2ということで、DACも一応据え置き機に使われるような有名チップを使っています。BasicからPlusとBALで出力は倍のワット数になってますね。
BAL名前の通りバランス出力がついているのですが、出力のサイズを見ると、フォン端子とバランス端子で変わらないですね。まあ実際ポータブルだとケーブル変換は面倒なので、端子が増えてるだけでありがたいと思う人もいるでしょうし、Plusはbluetooth接続は別ユニットが必要だったのにBALは最初から内蔵されている、ということで、機能面の充実が主な感じもします(ES9038x2というのはいかにもバランス対応!という感じのスペックではありますが、恩恵があるかどうかはDACチップでどこまで処理するかとか回路設計に関わってくる結構難しい話という印象で、私はそんなに嬉しくは思わないタイプではあります。)
Cayin C9【23万円/2600mW@32Ω】
Cayin C9・ポータブルヘッドホンアンプ | kopek|
この値段ですが、カカクコムでは割と上位にいて、本物のオーディオマニアの財力を思い知らされますね……。
カタログスペックと実物の駆動力の違い。そしてその他落ち穂拾い
あれはどうかな?と思う人がいると思うので、一応調べた上でさほど出力なかったです、と示す意味で載せておく、という程度のものです。1メーカーから一つにしました。
通しで見てみて、出力にこだわるメーカーとそうでないメーカーというのがある感じはします。しかし、あるいは、歪みを気にせずガチの出力限界を書くメーカーと、ある歪み許容範囲での出力を書くメーカーの差かもしれません……。あるいは瞬間的な(例えばクラシックのピーク音量とか)出力の限界と、安定して鳴らせる出力とを分けずに書いているメーカーも混在しているような気もします。
鳴らしにくいヘッドホンと脅されてたけど意外に鳴っちゃった!(歪んではいるが物理的な出力限界は高いアンプをたまたま使っていた)とか、カタログスペックでは出力が高くないのに「駆動力が高い」とレビューされている現象は、この辺にあると思います。いわゆる「アンプはボリュームは5割か6割あたりが本領」、論で、実際もっと上まで大丈夫なものもかるし、だめなものもあるし、という話です。
なので、ifi audioとxduooだったら、ifi audioのmaximum output powerと後者では意味が異なる可能性があります。
で、そのへん明示してるメーカー(ifi audioとfiio)をおすすめに載せているわけです。
Aune BU1【3万円/30mW@300Ω→推定280mW@32Ω】
auneは結構駆動力高い印象でしたが、割と普通な数字です(あとこの推定はかなり怪しいですね。インピーダンスがかなり離れてるので、設計思想によってかなり違い得ると思います)
TempoTec Sonata iDSD Plus【3万円/150mW@32Ω】
plusとかじゃなくsonata hdがasrという測定サイトでやたらいい数字を出したことでdacメーカーとして注目のtempotecから中華新興メーカーとしてはなかなかな値段のポタアンです。まあ出力はごく普通なのですが…。oriolus ba300とかと同じぐらい。
比較に出てきた国産機:DA-310USB、HP-A4BAL、U-05
国産機は購入検討をほとんどしていないので、一応並べるだけ並べるという感じで。カカクコムを上から眺めてピックアップしただけなので、私の据え置きアンプへの知識不足から漏れているものもあるかもしれません(よく話題に上がるものはこの辺だとは思いますが)。カタログスペック上300mWもあったら結構威張れるぞ、というのはイメージが湧くかなと。
DA-310USB【4.5万円/380 mW@32 Ω(1 kHz、T.H.D 0.7 %)】
デノン Denon DA-310USB ヘッドホンアンプ USB-DAC DSD 11.2 MHz、PCM 384 kHz / 32bit ハイレゾ対応 プレミアムシルバー DA-310USBSP
- 発売日: 2016/11/28
- メディア: エレクトロニクス
HP-A4BAL【5万円/300mW以上@32 Ω(THD 0.04% 以下(at 1 kHz))】
U-05【中古4万/300 mW @32 Ω】
P-750u【30万円/4W@32Ω】
ハイエンドともなるとヘッドホンアンプと明記してても別格ですね……。
関連記事
ポータブルじゃないアンプで言えば以下にまとめています。真空管使って歪みを気にせず(気にせずと言ってのかわからないが)すごい出力を出す廉価なアンプとかがありますね。
ポタアンでバランス接続 出来るヘッドホンって何があるの?といえば以下の記事です。手頃さでいえば、hifimanのhe400iぐらいですかねぇ……。ポータブルで使うということは密閉型でしょうし……。国産ヘッドホンは出力にそんなにシビアではないのでは?という感じがします。