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TAKSTAR HF580レビュー【hifiman 400iと比較/2万円アンダーでSendy AivaやSIGVA P2やBLON B20と同じ平面駆動型ドライバ!?】

TAKSTAR HF580は2万円アンダーのおすすめできるヘッドホン

格安ヘッドホン業界では一種定番の地位のあるTAKSTAR PRO82(前進のPRO80がまず評判になったのでした。日本国内にも記事もありますし、)のTAKSTAR社が、200ドルアラウンドのヘッドホンを出しています。

 

目次

 

TAKSTAR HF580のスペック確認

 

 

 

 

 

TAKSTAR Hi-Fiヘッドフォン有線ステレオダイナミックノイズキャンセリングヘッドウォーンヘッドセット、旅行用テレビイヤホン、PCラップトップ(HF580)

 

 

Driver configuration: Planar magnetic|Impedance: 32 Ohm +/- 20%|Sensitivity: 90dB/mW +/- 3dB|Frequency Range: 15-25000Hz|3.5mm TRS|Non detachable Y-split cable

 

普通にデザインかっこいいなというのが私の印象ですが、いかがでしょうか? この写真だとドライバーのカップ部分は真円に見えますが、実は縦に長い楕円状です(ただ、ハウジングの作り自体は、hifimanの真円系である400iなんかに似てはいます。(hifimanは高額ラインナップが楕円で、下の方は真円なんです))

 

本来ドライバーのサイズなんてまあ大きいなとか小さいなぐらいだと思いますが、このあと出てくるヘッドホンとドライバーが共通であるという根拠になっているので公式(といってもaliですが)からひっぱておくと

76x97x12.4mm

Takstar HF 580/HF580 ハイファイ平面ヘッドホン超大型平面ダイヤフラム低歪み強力な LF フル MF 透明 HF| | - AliExpress

 ということです。

 

GOOD:200ドルを切る平面駆動ヘッドホンは市場にわずか/高価なヘッドホン並の大型ドライバーを使っているらしい/バンドも金属的で見た目はリッチ感あり

そのうち列挙してみたいと思いますが、200ドルアンダーはhifimanとこれと、monolith、ThieaudoのGold Planrだけじゃないでしょうか。(monolithには100ドル以下という破壊的な平面駆動型も存在しますが)

BAD:リケーブル不可/競合するhifiman 400iがこの瞬間は安すぎる

割としっかりしたケーブルがついていますが、リケーブル不可です。左右両だしなので、バランス化改造も容易とは思いますが、とはいえハードルは高いです。

以下の動画で丁寧にやり方を説明してくれています。

https://www.youtube.com/watch?v=L8v7X7ukeSk

 

400iとの比較は以下で詳しくしますが、普通安くて定評あるメーカーで国内で正規販売されてる400iを買うよね……とは思います。

ハウジング違いがたくさんあるらしい平面駆動型ドライバーについて

この数年、新興(中国)メーカーの平面駆動型ブームが来ています。

そこに名乗りを挙げているのが、Sendy Audio、SIGVA(実はこの2つは同じメーカーの別ブランドだということですが)、BLON、そしてTAKSTARです。

中国メーカーではないのですが、MonopriceのMonolithシリーズも200~400ドルで平面駆動形のヘッドホンを出していますね。

 

この辺の話しはredditのほかyoutubeのレビュアーさんたちがバリバリ話題にしています。

https://www.youtube.com/watch?v=9UxgUS4bcNc

とか

https://www.youtube.com/watch?v=gKDZVHQ-GJM

のzeusさんはほぼ全部結局手に入れて比較していたと思います。

比較の結論としてはまあまあ無難というか、値段順にプレミアだし音も満足度あるよね、的な感じです。hf580だけちょっとくさしてたかな(複数レビューあげてたと思いますが、結構長いのでそれぞれあんまりちゃんと見ていないです。一個15分で4つのヘッドホンと比較レビューとか見てるともう1時間超えちゃいますからね、、、この手のレビューでありがちなことに、音質以外の見りゃわかる的な話も長いですから……)

  

一番有名なのは国内でも正規で取り扱われているSendy Audio Aivaではないでしょうか。

Sendy Audio Aiva

SendyAudio Aiva ブラックビューティーシリーズ 9776mm 平面磁気ヘッドフォン

 

実はSendy AudioのサブブランドらしいSIGVAはダイナミック型のsv01~08(密閉型・開放型・ウォーム・クールと分けられているようです)、イヤホンのmシリーズに加えて、SIGVA P IIという平面駆動型ヘッドホンを作っています。

 

SENDY AUDIO 平面振動式 イヤホンAIYA & ヘッドフォンAIVA | (株)七福神商事

このAIVAについては、七福神商事が正規代理店になっています。

このページのヘッドホンのスペック表に

駆動ユニット 97x76mm

とあります。はい。takstar HF580と同じサイズです。これが噂のもとですね。

 

SendyAudio Aiva Headphone Replaceable Earpad (One Pair) - New Version – MusicTeck

Pads別売りしてるからぜひつけてみたいのですが(aivaとの違いはハウジングの素材とpadでしょうから、近づけようがあるとすれば、パッドの方です)本体30ドルで送料50ドルです。うーーんsivgaのヘッドホンが1つ買えちゃう。。。aliにもebayにもないんですよね……

SIGVA P II

 

SIVGA PII オーバーイヤー オープンバック ウォールナット 木製平面マグネット式ヘッドホン

Amazon.com: SIVGA aivaとP2の比較はamazon.comでセラー自身が丁寧に答えているので、どっちか迷う人は見てみたらいいと思います。

 

https://www.amazon.com/SIVGA-P-%E2%85%A1-Walnut-Magnetic-Headphone/dp/B082XWQ2YL

Transducer size: 97mm*76mm

はい。これも同じサイズのドライバーですね。

 

BLON B20

https://www.amazon.co.jp/dp/B07WP5118P

一応貼りましたが在庫切れちゃってます。BLONは格安イヤホンで有名なBLON,またBosshifiとして100ドルアンダーのヘッドホンでも有名なあのBLONのようです。

というか、sigvaとblon(SIGVAのSV00シリーズとBOSSHIFIのB7やb8)ってほぼ同じじゃないみたいなことを言う人もいるようですね。なんだかイヤホン業界でkzとkbearについて工場が同じだとかなんだとかそういう話しが出ていたのを思い出します。

 

Transducer Size 97x76mm 

BLON B20 – Linsoul Audio

こいつも同じサイズです。同じドライバーだと言われています。

 

sivgaはまだそこまで知名度がない気がしますが、b20がいいのかaivaがいいのかというのは結構調べると色々と議論が出てきます。

Monoprice Monolith M570

Monolith M570 オーバーイヤーオープンバック平面磁気ドライバーヘッドフォン フラシ天パッド入りヘッドバンドとイヤーカップ付き

これはアメリカのメーカー(どうもダイソーとか無印良品みたいな、小さいメーカーが商品をおさめて大きなブランドのもと売るというコンセプトのメーカーのようですが)ですね。

 

Features a 97x76mm Planar magnetic driver enclosed in an gorgeous wood, open back housing.

はい。おなじみのサイズです。

monopriceはめちゃくちゃ廉価なものからこの300ドル級までいろいろな平面駆動型ヘッドホンを出しています。

M1060/M1060C、M1070……etc。

 

quad era-1

 

クォード 平面駆動型ヘッドフォンQUAD ERA-1(QUAD)
 

 

掲示板で見た噂ですが、これがこのドライバーの初出だとか。。。スペック後で確認してみます。

THIEAUDIO PHANTOM

HarmonicDyne Helios は50mmのドイツ工学基づいて設計ダイナミックドライバーが搭載されたオーペン型HIFIヘッドホン 高忠実度や速い反応スピードや高いパフォーマンスヘッドホン 高純度のバランスケーブルとクルミ木のハウジングをもってヘッドフォン 人間工学に基づいて設計して超軽量な金属ヘッドバンドが搭載されたハイエンドヘッドセット

 

Driver 101mm

Thieaudio Phantom – Linsoul Audio

 この並びなので、最近の中華のヘッドホンということで名前が上がるphantomも並べますが、こいつはドライバーサイズは違う(101mmでまたちょっと大きい)ということになっているようですね。ドイツ製をアピールしてくるのでその点でもちょっと違います。

周波数グラフはM570は著しく違うが……

www.youtube.com

 

この人が全部手に入れて詳しく比較してくれるという話しだったのですが、どうも動画が途絶えてしまっているみたいですね。見る限り、M570が著しく波形が違っているようですね。

TAKSTARという会社は真面目な音響会社らしい

TAKSTARについては以下の記事が少し前に丁寧に記事にしてくれています

【BARKS編集部レビュー】安くて音が良いという噂のTakstar、果たしてその実態は? | BARKS

 

TAKSTAR自体はaliで検索するとヘッドホンよりマイクとかオーディオインターフェースが出てくるような、ある意味真面目な音響の会社です。同じ格安ヘッドホンで有名なSUPERLUXのOEM先と言われているSAMSONを思い出しますね(SAMSONはアメリカの小さな音響機器の会社です)。

Takstar - Guangdong Takstar Electronic Co., Ltd. - Guangdong Takstar Electronic Co., Ltd.

 

Company - Guangdong Takstar Electronic Co., Ltd.

Established in 1995, Takstar is a leading manufacturer in the electro-acoustic industry. The company devotes itself to providing you with the best possible audio processing solutions.

1995年にできて従業員も2000人を越えるということなので、ちょっとした企業ではないでしょうか。社屋の写真もめっちゃ綺麗です。商品ラインナップの数からいってもガレージメーカーというには規模感があります。

ぜひこれに味をしめていろいろなイヤホンやらヘッドホンやら民生品に手を出してほしいところです(私は中国製のヘッドホンメーカーにどんどん出てきてほしいので。至高の音へ向けて貯金をしていくよりも、安くて面白い製品を定期的に買うのが好きなので……)

以下はTAKSTAR PRO 82です。

TAKSTARプロフェッショナルモニターヘッドフォンベース調整HIFIステレオダイナミックスタジオDJヘッドセットレコーディングモニタリングプレイングゲーム音楽鑑賞PRO 82 (ブラック)

TAKSTAR HF580=HI3050?

Takstar HF 580 Planar Headphones | Headphone Reviews and Discussion - Head-Fi.org

headfiのこのスレには古いカタログがアップされていて、HF580と同じスペックのヘッドホンが2017発売予定として掲載されていたとのこと。掲示板を信じるなら問い合わせした人が

 

別モデルのHI 2050がベイヤーのDT880に似てますねみたいな話もあり、この頃は元ネタのあるヘッドホンを作っていく段階にあったことがわかります(iskがAKGっぽいヘッドホンを出していて……みたいな話だ)

いきなりオリジナルなデザインが提出出来る新興メーカーというのは相当お金というか手間をかけているということでしょう(デザイン込で褒められた新興メーカーというとmezeとかでしょうか)

 

音質

エイジング(バーンイン)はあんまり信じていないというか、そんなのしっかりメーカーでやってから出せよというタイプですが、今回はめちゃくちゃ印象が変わりました。

最初のほうが面白くて、ウォームというかもこもこ感がありつつ、キラキラ感もあるという、おもしろいバランスで(ドンシャリのドンがもうちょっと上の周波数で持ち上がってる感じでしょうか)、これは……!!!と思いました

あんまりウォーム系のヘッドホンを持っていないので、すぐにmeze 99 classicsと聴き比べました。しかし、あれはちゃんと低音の音量が多いっていうのがわかるんですけど、hf580はなんか低音の量が凄いわけではないけど、もこもことキラキラが両立しているという。

しかし、何日か使っているうちに、もこもこ感はなくなっていって、普通に高解像度でシャープな音になっていきました。うーんもったいない。ただ、ウォーム系に慣れて聞き所がわかったのかもしれないです。

 

ちょうどアニソンの女声の高い域に謎の曇がある

もこもことキラキラの両立の謎はおおよそわかりました。曲によるんですが、アニソンの女声の高さを中心に謎の曇りがあります(音量的にかなり小さくなる)ここのウェイトが高いともこもこした印象になります。

逆にここが関係ない音楽は相当気持ちよく聞けます。ひょっとするとここの曇りがキモになっている可能性すらあります。女声といっても高いところが問題になるので、例えば宇多田ヒカルだとさほど問題になりません(それでも場所によっては少しボーカルは引っ込んだ印象になりますね。)

まあ曲のジャンルによっては問題ないですが、人間の声のあたりに癖があるヘッドホンというのはかなり個性派の音と言わざるを得ないですね。

男子の高い声はむしろ得意分野といえます。小田和正とかQUEEENとか山下達郎とか。しかし女子で低いような高いような松任谷由実だと少し引っ込んだ印象でした。

絶賛してる人はこの手の曲を聞いてるんじゃないでしょうか。実際ハマった曲の気持ちよさで言えば、他のヘッドホンと隔絶するものもあります。おそらくこの女声の上のところは普通に戻ってるんですね。それでキラキラ感はある。セパレーションも平面駆動だけあって標準以上にあると思います。

モニターには使えないという感想をどこかで見ましたが、こういうかなりの偏りがありますね。

 

2種類のパッド→灰色は薄くてブライトになる

パッドはプラのリング状のベースにパッドが重なっていて ベースごと本来は交換するようなのですが、力のかけかたがわからず(説明書ではどうやって外すかは書いていなくてはめ方だけが書いてあります……aliの質疑応答には「結構強い力ではめてね」とあるので、外す時にもそれなりに力が必要そうなのですが、どうもツメを折ってしまいそうで恐ろしくて……)、リングをつけたまま外側からかぶせる布部分だけ交換してみました

(こういう交換方法のヘッドホンもあるんでそんなにおかしなことではない……と信じたい)

 

もともとついているのは、黒のまあまあ肉厚なパッド(ゴムっぽい感じです)ですが、もう一つ灰色の布製のパッドがついています。

案の定というか、人の声が思い切り前に出てきて、キラキラ感が増しましたね。ただそれでも人の声はパキパキの高解像度ではなくてベール感はあります。(K702とかとの比較ですけどね)

 

再生しやすさ

音量は取りにくいです。だいたいアンプ必須と言われる最低ラインのK702が、K702=400iで、我が家で一番音量取りにくいヘッドホンだったのですがそれよりも音量取りにくいです。

インピーダンス自体は32オームなので普通ですが、90db(+-)3となってますからね。high sensitivityというのは言い過ぎではないかと。。小型のエントリーDAPでは音量が小さすぎる可能性もある、というのは念頭に置く必要はあるかなと(といっても開放型なのでDAPと外で使うことある??という感じではありますが)

取りにくいといっても、DX160のシングルエンドで十分な音量は出ています。

 

HIFIMAN He400iとの比較(わずかにウォーム・リケなし・遮音性はベター)

HIFIMAN – he400iヘッドフォン

総じてhifiman 400iに似たヘッドホンです。有名サイトでtakstar hf580自体の周波数グラフ測定っていのは見つけられなかったんですが、aliにあるメーカーのセルフ測定のグラフを見ると、ほぼどの周波数もまっすぐで高音がやや持ち上がっています。周波数グラフは条件が違うと比較出来ないですが、400iも似たようなグラフを見たことがあります。

 

400iと比べるとわずかにウォームというか低音が出ているのがわかりますが、かなり近いと思います。

ただ、問題は400iがバカみたいに安くなってること、ケーブルが着脱式な分、安心感がある、というのでHF580の優位性っていうのが必ずしもあるわけじゃないところでしょうか。それなら400iを入手したい人のほうが多いでしょうし。もっとウォームだったりドンシャリだったりであれば、平面駆動形にこだわらなければ、2万円付近で、mezeのNEOなりDT990なりHD6xxなりとカラーの違うものがあるわけなので……。

400iよりデザインはリッチ感を私は感じています。これは感性の問題でしょう。メタルな部分が多いからじゃないかと思います。

あとは、音漏れが、400iより小さいです。つけたときにほぼおんなじ音量でも、外して机に置いてみると明らかにわかるぐらい結構違います。

 

400iはニューバージョンが出るみたいですね。

HiFiMan surprise: New headphones coming soon!!! — HiFiGo

そうすると、今の破壊的な値段が維持されるとは考えにくくて、3万円近くになる可能性はあります。すると、それよりちょっとだけ安くて、TAKSTAR HF580もありますよ、ということになるのかもしれません。

まあ過去と違って各社から200ドル付近の平面駆動型ヘッドホンが登場しているというのに対応していくという趣旨であれば、むしろ対抗した価格設定になるのかもしれませんが。

 

関連記事

以下の記事の下のほうに、ドライバーにとらわれずに1万円越えるような中国の新興メーカーのヘッドホンをリストしてみています。

TAKSTAR HF580に到達している人はかなり詳しい人だと思いますが、ご興味があればぜひ。

gannen.hatenablog.com