三人の電騎士
美しい宝石を生み出す水晶人のところに、鉱物の名を持つ電騎士がやってくる。真鍮、鉄、石英と続いた侵略はしかし、水晶人にうまく阻まれるのだった。
ナンセンスであるし、一種3びきのこぶた(攻める側だが)みたいな話だが、最期の騎士石英の設定が面白い。ものを考えると発熱する(氷で出来た水晶人の建物にダメージを与えらえる)が、ものを考えすぎると、オーバーヒートしたり、建物が壊れて自分も水底に沈んでしまう。「ほどほどにものを考える」ことで物事が進むというのは、思想が管理されたディストピア社会のようだ。
もっとも、お説教らしさはなく、バカバカしいギャグっぽく書かれている。しかし、鉱物たちのバトルといえば
であろう。市川春子はレムぐらい読んでいそうな感じもある。ざらっと検索した限り言及は見当たらなかった。
最初読んだときは虫のつぎは石かーと思いつつ何が発想のもとだよと思ったものだが、実際の影響関係はともかく、あるところにはあるものである。